コンクリートモルタル塗装の建造物で、これほど地域にとけ込んでいるものはそうありません。色合い、上部の屋根の造り、意匠文言などそれを裏付ける要素をひとつひとつ洗い出してみますが、なかなかこれと言える原因を見つけ出すことは出来ません。単純に「それを作った人々の思いが込められているから」と言えれば、楽なのですけど、、。
在郷軍人会と志和堀村アメリカ在住者との共同出資により作られたもので、上部には当時アメリカから送られた鐘が現在も鎮座しています。現在はサイレンで時刻を知らせていますが、やはり鐘を鳴らして貰いたいと考えるのは私だけでしょうか。
四面には「時ハ金」、「定時励行」、「時間節約」の文言が読み込まれていますが、ひとつだけ削られている面に「皇国〜」という痕跡が見えます。削られた事実に時代の圧迫感を覚え、いたたまれない気持ちになってしまいます。(58.) |