近代化産業遺産 総合リスト


 
建物紹介例
<写真がここに入ります。(下は例)> 現在の建物名称(昔の建物名称)
住所(移設の場合、旧所在地) 建築年代
構造/階層 設計者/施工者
文化財指定・顕彰(ある場合)/撮影日/所有状況/
使用状況(建造当時の用途)
建物説明。(文末に参考文献ナンバー)

鹿児島県鹿児島市(磯地区)編

旧集成館反射炉跡(同左)
鹿児島市吉野町 安政4年(1857)
石造基壇 不詳/不詳
/04.3/島津興業/静態保存(反射炉)
 見ての通り石垣です。しかし唯の石垣ではありません。薩英戦争における鹿児島の戦力を支えた反射炉であり、それは同時に近代の産声を挙げた記念施設とも言えます。ただ仙巖園のなかではかなり端の部分にあることもあって、その姿を見ようとする人々はあまりいません。
 反射炉それ自体はかなり早い時期に失われ、そういった点では物足りない気持ちになる事は否めません。しかし遺構の文化財的価値は変わることなくこれからも保存され続ける事でしょう。(0.)

尚古集成館本館(集成館機械工場)
鹿児島市吉野町 慶応元年(1865)
石造/平屋建 不詳/不詳
国指定重要文化財/04.3/島津興業/展示施設(工場)
 現存する国内最古の近代的工場であり、現在は博物館として使用されている鹿児島県の代表的文化財。その価値は内蔵されている機械類とともに非常に重要なものです。
 鹿児島の代表的素材である石を用いてつくられた工場というだけでも十分に珍しい建物ですが、教科書レベルでの歴史の舞台となったところという部分に重要文化財たるゆえんがあるのではないでしょうか。やはりこれも将来の国宝候補と考えてよいでしょう。一度は訪れてみたい施設です。(0.) 

旧鹿児島紡績所技師館(同左)
鹿児島市吉野町 慶応3年(1867)
木造/2階建 不詳/不詳
国指定重要文化財/07.9/鹿児島市/静態保存(住居)
 明治以前のコロニアル建築。同タイプで他の港町に作られたものよりもずいぶんと大振りで、ずんぐりむっくりと言う印象を与えさせます。いったん旧制高校の建物として移設され、後に現位置に戻ってきたという、複雑な経緯を持った建物です。
 この問題は神戸でもハンター邸とハッサム邸で選択が分かれたようですが、私は現在のガラス張りでよいのでは、と考えます。南アジアで開発したコロニアル様式が日本では適応できず、そこに創意工夫が加わった結果を見ることが出来るからです。2008年からの改修工事でどのような選択が行われるか、非常に楽しみです。(55.)

仙巖園御殿(島津別邸)
鹿児島市吉野町 明治17年(1883)
木造/平屋建 不詳/不詳
/04.3/島津興業/静態保存(住宅)
 旧島津別邸であり、明治の一時期は本邸としても使用されていた建物です。近代和風建築としての価値もありますし、現存する数少ない大名邸宅である事にも注目に値する部分があります。現在は周辺整備を含めて公園化し、有料で一般に公開しています。
 庭園の奥から甍を望むと白波がたゆたっているようで実に美しく、昔の日本を見た西洋人の感慨を改めて感じ取ることが出来ます。統一された景観の美しさを感じ取れるだけのスケールをこの建物はもっています。(0.) 

磯珈琲館(芹ヶ野島津家金山鉱業事業所)
鹿児島市吉野町 明治37年(1904)
木造/2階建 不詳/不詳
国登録有形文化財/04.3/島津興業/飲食施設(事務施設)
 かなり急な角度で屋根にむくりがつけられている建物。飲食店として用いられるまでは、やはり島津家の鉱業事務所として用いられたものですが、開口部の狭ささえなければ、商店系建築としても十分使える作品です。意図したものではないのでしょうが、そのゆとり設計は現代でも見習いたいものだと感心します。
 仙巖園周辺には島津氏私企業の後身である島津興業が所有する建物群を集め観光化し、かなりの集客を見せています。産業観光先進地として鹿児島が注目されているその旗頭となっています。(0.55.) 

仙巖園内濾過池(同左)
鹿児島市吉野町 明治40年(1907)
石造濾過池 不詳/不詳
国登録有形文化財/04.3/島津興業/濾過池(同左)
 登録文化財のプレートを見なければ見過ごしてしまいかねない、石で囲われた濾過施設。屋根付きの施設という事も珍しいと言えますが、個人の邸宅にこういった施設があるという事にも驚くべきでしょう。明治維新の「勝ち組」であることをまざまざと見せつける記念碑のようにも感じられます。
 深さは約2.4メートルあり、地表部にはヴォールト構造の屋根組だけが見えています。そのままの池に仕上げるよりもこちらの方がより庭園にとけ込んでいるように見えるのは、先人の知恵と言うべきでしょうか。(0.36.55.) 

磯工芸館(島津興業吉野林業所)
鹿児島市吉野町 明治42年(1909)
木造/平屋建 不詳/不詳
国登録有形文化財/04.3/島津興業/物販施設(事務施設)
 仙巖園周辺に集積された建築物の中でもかなり南洋の香りがする意匠が特徴の作品。コロニアル建築の雰囲気も感じられるものの、むくりのつけられた車寄からは擬洋風建築の典型たる不可思議さを強烈に印象づけます。遠くからは甍の美しさ、壁の白さが映える建物になっています。
 中では復刻された薩摩切子が販売されています。仙巖園全体を観光施設として解放している島津家の主力お土産商品であり、美術的価値もあるなかなかの逸品です。お値段も、それなりに。(0.55.)

西田橋(同左)
鹿児島市浜町
(鹿児島市西田一丁目−西千石町)
年(1)
石造4連アーチ橋 不詳/不詳
/07.12/鹿児島県/静態保存(交通施設)
(.)

玉江橋(同左)
鹿児島市浜町
(鹿児島市小野一丁目−下伊敷一丁目)
年(1)
石造4連アーチ橋 不詳/不詳
/07.12/鹿児島県/静態保存(交通施設)
(.)

高麗橋(同左)
鹿児島市浜町
(鹿児島市加治屋町−高麗町)
年(1)
石造4連アーチ橋 不詳/不詳
/07.12/鹿児島県/静態保存(交通施設)
(.)


戻る