祐徳稲荷神社の境内には、門前市から派生したと思われる建築群が並んでおり、現在は土産物屋の並びになっていますが、これらの中には近代建築の流れをくむ建物も多く見られます。この建物はその最たる作品と言えるでしょう。2階部分上部(屋根裏部屋があるのでしょうか?)に設けられた明かり取りの窓には、バルコニー風のデザインが取り付けられ、また半切妻の屋根には持ち送りも付けられています。何でもありの折衷様式のようでもあり、北欧のデザインに沿った建物のようでもある。一言では言いづらい建物となっています。さすがに神社に近接しているからか、洋風の建物に見られがちな派手なものではないところに好感が持てます。
現在でも商店として使用されており、また周囲の立て込み具合から建て替えられる可能性も当面は少ないかと思います。神社参詣の際は利用したい商店ひとつと言えるでしょう。(21.) |