近代化産業遺産 総合リスト


 
建物紹介例
<写真がここに入ります。(下は例)>善導寺 現在の建物名称(昔の建物名称)
住所(移設の場合、旧所在地) 建築年代
構造/階層 設計者/施工者
文化財指定・顕彰(ある場合)/撮影日/所有状況/
使用状況(建造当時の用途)
建物説明。(文末に参考文献ナンバー)

福岡県久留米市(草野町地区)編

久留米市立草野歴史資料館(草野銀行本店)
久留米市草野町草野 明治44年(1911)
木造/平屋建 不詳/不詳
国登録有形文化財/05.1/久留米市/展示施設(金融機関)
 草野地区の繁栄を今に伝える施設。全くの洋風建築というわけではなく、内部には大きな欄間が取り付けられているなど、どちらかといえば和洋折衷型の建物だと言うことができます。門扉のデザインに独特のものがあり、ここにも注目です。
 戦後は合併先の福岡銀行草野支店として用いられ、後現在の形となりました。銀行本店という割には少し小規模な建物ですが、地域の経済規模から問えば、適切な施設だったのかもしれません。(4.)

旧草野貯蓄銀行(同左)
久留米市草野町草野 明治末期
木造/平屋建 不詳/不詳
/09.8/民間/(同左)
 前回町を訪れた際には完全に見過ごしてしまった建物。なるほどよく見れば、玄関も大振りに造られており、単なる民家の応接室とは考えがたい威厳があります。資料館で別途企画展資料を拝見することで、金融機関の建物であることが分かりました。
 前庭や車寄がないためか、銀行と言うよりは地方郵便局のそれに近い印象を持ちます。そういった背景は全くないようですが、考えてみれば取り扱い業務には似通った部分もありますし、銀行建築の簡略化した姿を郵便局に見ることが出来るのでしょう。 

矢作公民館(青年夜学校)
久留米市草野町矢作 大正2年(1913)
木造/2階建 不詳/不詳
/05.1/民間/公共施設(同左)
 洋風建築の影響があるような、ないような。夜学校として建てられたという背景もあってか、内部には広い空間が採られていると思われる造りをしています。教育施設がそのまま公民館として使用される例は農村部でしばしば見られますが、公開しているかというとそれは運任せ。近くに人が通るのを待つほかありません。私は見ることができませんでした。
 この矢作地区は古くから遺る民家群が実に特徴的な景観をもっています。年一回の民家内部一般公開があるそうなので、今度はそこを狙っていってみたいです。(パンフレット.) 

山辺道文化館(中野医院)
久留米市草野町草野 大正3年(1914)
木造/2階建 不詳/不詳
国登録有形文化財/05.1/久留米市/展示施設(同左)
 周囲の和風建築からは隔絶したかのような、少し広めの空間にそびえる大きな建築物。昭和55年まで医院として営業された建物を平成10年に改築。現在は地域の交流施設を併設した展示施設として用いられています。
 この建物が、例えば都心部にあったとしたらそれ程の感慨はなかったでしょう。建造途中で草野地区に移設されたと聞き及ぶその構造は、地方に展開され、初めて伸びやかさを見せつけています。(建物報告書.)

草野発心堂(診療所?)
久留米市草野町草野 大正期
木造/2階建 不詳/不詳
/05.1/民間/公共施設(同左)
 草野歴史資料館から少し奥に入ったところにある、小振りな洋館で私が見に行ったときはギャラリー兼飲食施設、現在は骨董屋として使用されているそうです。外側の改装されていると思われる部分が何とも痛々しいですが、正面部分、特に玄関に施された、銀行建築のようなペディメントにはなかなか見るべきものがあります。まあ、少々大げさではありますが。
 側面の窓配置が強引で、あるいは増築などの痕跡かもしれません。もう少しバランスが整っていれば、登録文化財くらいは十分狙えると思うのですが、、、。 

草野火の見櫓(同左)
久留米市草野町草野 昭和期
鉄筋コンクリート造櫓 不詳/不詳
/09.8/民間/(同左)
 江戸時代からの半鐘櫓をそのまま鉄筋コンクリートにしてしまったような施設。作り方としては、電信柱で使用されるような鉄筋コンクリート製の柱をふたつ並べ、間に鉄筋を貼り付けたような形をとっています。なるほど、これなら電信柱用の材料をそのまま火の見櫓にすることが出来るでしょう。今の視点から見ると、最近の電柱には見られないような、大振りな姿には勇壮感を覚えます。
 半鐘が取り付けられたであろう部分は遺されているものの、現在は失われています。金属供出によるものなのか、戦後の紛失かどうかは分かりませんが、やはり半鐘があった方が締まった形になることは言うまでもありません。もっとも、金属泥棒にやられてしまいますかね。

旧星子精肉店(同左)
久留米市草野町草野 昭和期
木造/2階建 不詳/不詳
/09.8/民間/(同左)
 ちょっと栄えていた地方都市なら必ずありそうな、商業施設。トタン張りながら看板建築としての色合いと店頭販売エリアのタイルがなかなか良い対比を見せています。タイルの使用は生鮮食品ならではのものではないでしょうか。
 店舗と住宅とが併設している建物としては、当初の姿を鑑みることが出来る、現在では数少ない遺産となってしまっています。映画のセットにするとなかなか良い味を見せるのではないでしょうか。草野の町にはそういった施設が散在しています。


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