近代化産業遺産 総合リスト


 
建物紹介例
<写真がここに入ります。(下は例)>脇町中学校 現在の建物名称(昔の建物名称)
住所(移設の場合、旧所在地) 建築年代
構造/階層 設計者/施工者
文化財指定・顕彰(ある場合)/撮影日/所有状況/
使用状況(建造当時の用途)
建物説明。(文末に参考文献ナンバー)

徳島県美馬市編

大谷川砂防堰堤(同左)
美馬市脇町大字北庄−大字脇町 明治19年(1886)
石造空積堰堤 デレーケ/不詳
選奨土木遺産/05.10/行政機関/水道施設(同左)
 広い川幅いっぱいに積まれた砂防ダム。明治期にお雇い外国人として全国の土木施設の設計指導に当たったヨハネス・デレーケの指導によって造られた施設のひとつで、2000年には土木学会による選奨遺産となっています。
 全体的には3段に組まれた上流の堰堤と、下流のながらかな堰堤(写真)で構成され、これらが一体となって水流を中央に、緩やかにするように仕組まれており、造形的にも実に美しい施設です。周辺は整備されているものの観光ルートには道半ばといった状態です。(12.)

旧脇町農協倉庫(同左)
美馬市脇町大字脇町 明治期
木造/2階建 不詳/不詳
/05.10/美馬市/倉庫(同左)
 図書館に組み込まれた農業倉庫。私が見たときにはお祭り用の山車が展示されており、格納倉庫式の屋内展示場と考えたほうが無難です。元々は農作物の保管庫(とはいえ中心部にある保管庫ですから、藍の原料倉庫だった可能性はありますね)として使用されたことは見て分かるとおりです。現在は図書館に隣接して、図書館新設部分を街並みの一部としてとけ込ませる役割をも担っています。古さは感じられましたが、明治期のものとは思いませんでした。
 脇町地区は伝建に指定されてからうだつの意匠を新しい建物に上手く利用しようという試みが広く行われており、ページトップにある小学校の他、図書館や案内掲示板、ショッピングセンターにまで官民問わず景観向上に取り組んでいます。観光地はここを見習いたいものです。(57.)

脇町劇場(同左)
美馬市脇町大字猪尻 昭和9年(1934)
木造/2階建 不詳/不詳
国登録有形文化財/05.10/美馬市/静態保存(余暇施設)
 正式名称は脇町劇場ですが、この劇場を説明するときには「オデオン座」という名称をどうしても使ってしまいます。その名でロケ地使用された映画「虹をつかむ男」の上映によって知名度が一気に全国区となった、幸せな施設です。解体との話もあったところでの知名度向上は、施設活用へと一気に世論を傾かせました。
 対岸から見ると、大きな銭湯にも、公会堂にも見えます。ユーモラスな外観をもつ作品です。現在は観光施設として開放されていますが、イベント時は中を見学できない場合もあります。ご注意を。(24.)

脇町公民館(日本専売公社事務所)
美馬市脇町大字脇町 昭和初期
木造/2階建 不詳/不詳
/05.10/美馬市/行政施設(事務施設)
 徳島は煙草の産地で、となりのつるぎ町では阿波池田たばこ資料館という煙草専門の展示施設もあります。当然脇町でも煙草の生産が行われ、この施設は専売公社の事務所として建てられました。現在でもここには煙草生産組合の事務所が入居しているようです。
 入居している施設のひとつに「ミマコンポスト」の本部があります。この会社は産業廃棄物として扱われていた鶏糞の堆肥再生を目的としたものです。最新産業の本部に歴史的建造物が用いられているところが、カッコイイと思いませんか。(観光文化資料館パネル.) 

旧店舗建築(同左)
美馬市脇町大字脇町 昭和期
木造/2階建 不詳/不詳
/05.10/民間/住居?(商業施設)
 伝統的建造物群保存地区から外れた、生活幹線に面したところにある建物。昭和期のメインストリートとしてこの道路があったことを示している施設群のひとつです。
 周辺は生活道路の良い部分が道なりのそこかしこに遺っており、伝建地区とはまた違った魅力を持った場所ですが、いかんせん交通量が多く観光化するには難しい問題を抱えています。この作品も少し改造すればよい土産物屋になるなと思うのですが、、、どうでしょう。ここは地元の判断に任せます。

旧穴吹保健所(同左)
美馬市穴吹町穴吹 昭和26年(1951)
木造/2階建 不詳/不詳
/05.10/美馬市/放置(行政施設)
 市街地に面した丘の上に立つ施設。位置関係からいうと、公民館というよりも元役場だとにらんでいましたが、実は保健所でした。現在は不要品置き場となっており、建物前に広がる駐車場であったろう空間が少し淋しげです。
 行政施設にありがちな横広のプロポーションと連続した窓が郷愁を誘います。こういった施設はかつて行政機関や教育施設に多く見られたのですが、どこにでも平均的にあったからか、今では絶滅危惧種のひとつとなっています。こちらも将来がとても心配です。(57.)

美馬市脇町観光文化資料館(脇町税務署)
美馬市脇町大字脇町 平成元年(1989)
(元建物は明治32年)
鉄筋コンクリート造/平屋建
(木造/平屋建)
不詳/不詳
/05.10/美馬市/行政施設(事務施設)
 元々は税務署であった施設を建て替えの際に復元、外観を修景しています。現在内部は鉄筋コンクリート造りの歴史民俗資料館として活用されています。部材が元のものかどうかについては少々疑問もありますが、周囲のまちなみにはこちらがとても合っています。
 徳島県の前印象では、古い建物も江戸時代か近代和風のそればかりで、洋風その他はほとんど取り毀されているのかな、と考えていましたが、この建物のように外観保存がかなり早くから進んでいるところもあり、なかなか侮れません。(観光文化資料館パネル.)


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