近代化産業遺産 総合リスト


 
建物紹介例
<写真1がここに入ります。(下は例)> 現在の建物名称(昔の建物名称)
住所(移設の場合、旧所在地) 建築年代
構造/階層 設計者/施工者
文化財指定・顕彰(ある場合)/撮影日/所有状況/
使用状況(建造当時の用途)
建物説明(文末に参考文献ナンバー)

北九州市門司区(田野浦地区)編

部崎灯台(同左)
門司区大字白野江 明治5年(1873)
石造/平屋建 ブラントン/不詳
/04.9/国/灯台(同左)
 灯台という建造物には、他のものには見られない独特の様式美があるように感じます。たとえば、青空に映える白色の清楚感。石の持つ柔らかさ。この建物にはそれら全てが凝縮されているように感じます。また部崎灯台(と、その他幾つかのブラントン設計灯台)の特色として、塔頂に取り付けられた風向計の方位が漢字で書かれていることにも重厚さを感じさせ、建物の魅力に彩りを添えています。
 唯一問題があるとすれば、直接の交通手段が徒歩に限られていることです。唯一の道路が改装中で立ち入り禁止のため、移動には骨が折れます。(4.5.8.)

部崎潮流信号所(部崎灯台吏員退息所)
門司区大字白野江 明治5年(1873)
石造/平屋建 ブラントン?/不詳
/04.9/国/灯台(同左)
 吏員退息所とはいえ官舎のひとつということで、北九州市でもっとも古い洋風建築、というとらえ方も出来ます。それよりも初期灯台建築群のひとつとして捉えることが、この建物の真価を表すのに適当かもしれません。
 一部書籍に既に取り壊されているとの記述がありましたが、屋根部が取り払われているのみで外部構造は現存しており、窓周りや石垣は、なるほど明治の洋風建築にふさわしい貫禄を持っています。灯台と共に一度見学することをお薦めします。(4.5.8.)

福岡食糧事務所門司倉庫事務所(門司米穀倉庫事務所)
門司区大久保二丁目 昭和2年(1927)
鉄筋コンクリート造/2階建 不詳/不詳
/03.12/国/未利用(事務施設)
 倉庫群の偉容に比べると多少地味な印象を拭い切れませんが、この建物に関して記述する書籍の中では、アールデコ調を帯びた見るべきもののある建物として紹介されています。昭和初期の典型的事務所建築と言えるでしょう。
 当面の問題は、これら建造物の用途が未定であり、現在公売にかけられていることです。半ば放置された事務所周辺は、廃墟の匂いさえ感じさせ、どこか物悲しくなってしまいます。(5.8.) 

福岡食糧事務所門司倉庫(旧門司米穀倉庫)
門司区大久保二丁目 昭和2,3年(1927,1928年)
鉄筋コンクリート造/平屋建 不詳/大林組
/03.12/国/未利用(倉庫)
 もともとは政府買入米の備蓄倉庫として建てられたものですが、現在は使用されていないようで、国有財産売却リストに掲載されています。10棟におよぶ倉庫群は、その大きさにも驚かされますが、装飾性が門司の他の倉庫群に比べかなり高く、一堂に並ぶ姿には美しさと共に神々しささえ感じられます。
 隣接する貨物引込線にはかつて貨物列車が通っていました。この線路を利用した門司港レトロ観光列車の運行している現在、むげに失うには余りにももったいないスケールを誇る構造物です。(5.8.)

福岡食糧事務所門司倉庫施設(門司米穀倉庫変電施設か)
門司区大久保二丁目 昭和2年(1927)頃
鉄筋コンクリート造/平屋建 不詳/大林組か
/10.11/国/倉庫?(変電所同左)
 10連の倉庫に隣接しているのですが、一歩離れた位置に有り、よく見てみないとその存在に気付かないかもしれません。中を覗いてみると低圧変電設備が遺っており、おそらくは当初から受変電施設として使用されていたのではないかと考えられます。
 現在は大八車などが置かれており、倉庫としての用途が中心になっている感もあります。ただ、肝心要の米穀倉庫自体が使用されていない現在、こちらもどのような扱われ方をするのか、さっぱり見通し不透明となっています。


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