近代化産業遺産 総合リスト
建物紹介例
<写真がここに入ります。(下は例)>
現在の建物名称(昔の建物名称)
住所(移設の場合、旧所在地)
建築年代
構造/階層
設計者/施工者
文化財指定・顕彰(ある場合)/撮影日/所有状況/
使用状況(建造当時の用途)
建物説明をくどくどと。(文末に参考文献ナンバー)
名古屋市西区編
ノリタケの森赤レンガ棟(旧ノリタケ製土工場)
名古屋市西区則武新町三丁目
明治37年(1904)
煉瓦造/3階建
不詳/不詳
/03.10/ノリタケ/静態保存(工場施設)
広々とした公園の中に突如広がる煉瓦建築群。複雑に残る防火仕様の鉄窓が非常に有効なアクセントとなり、一部使用されていない建物ではありますが、見ているだけでその存在感に圧倒されてしまいそうです。
ノリタケの創業地に残る最古の工場建築で、その記念的要素から企業が記念碑として保存している施設。このような保存方法は後に保存される煉瓦造建築に大きな影響を与えました。その先鞭をとった作品と言うだけあって、見所は満載です。(31.)
旧豊田商会事務所(同左)
名古屋市西区則武新町四丁目
明治38年(1905)
木造/2階建
不詳/不詳
/03.10/トヨタグループ/静態保存(事務施設)
建物の手法としては擬洋風建築の類に属するものかもしれません。ただし、工業施設のひとつということで、それほど派手な施設ではなく、本当に明治の事務所建築なのかと疑ってしまうほどです。やはり和風建築の手法が強く反映されているが故のおとなしめ建築であるといえるでしょう。
建物としては名古屋市内にあったものを移築したとのこと。周囲は緑濃く、元々そこにあったかのごとく、静かにたたずんでいます。(産業技術記念館サイト.)
ノリタケの森・森村大倉記念館(ノリタケ工場施設)
名古屋市西区則武新町三丁目
明治40年代
煉瓦造/2階建
不詳/不詳
/05.7/ノリタケ/商業施設(工業施設)
将来の活用を前提として保存されていたもうひとつの煉瓦建築。この度森村・大倉記念館として2005年3月にオープンされ、ノリタケの森に新たな魅力を加えています。
運営は森村グループ4社(ノリタケカンパニー、東陶機器、日本ガイシ、日本特殊陶業)が共同して行い、グループの商品宣伝からセラミックの可能性までを展示する観光施設として位置づけられています。休業日は月曜とのこと。今は1階しか利用されていないようですが、将来の拡張も期待でき、一度訪れてみたい施設です。(46.)
ノリタケカンパニー工場倉庫(同左)
名古屋市西区則武新町三丁目
明治末期?
煉瓦造/平屋建
不詳/不詳
/05.7/ノリタケ/工業施設(同左)
ノリタケの森敷地内から見える位置にぽつりとある施設。「火気厳禁」の立て札もあることから、石油倉庫か元のガス保管庫といったところでしょう。工場内で現在も使用されているためか、敷地問題からか「ノリタケの森」には組み込まれず、端から見る私の目にとっては少々もったいない気もします。
「ノリタケの森」開業以降、工場跡地の観光利用という面で度々採りあげられる同地域ですが、ノリタケの工場は現在もしっかり稼働中で、現役工場も観光に組み込められるところがノリタケの強みとも言えます。(46.)
産業技術記念館・繊維機械館(豊田紡織本社工場)
名古屋市西区則武新町四丁目
大正3年(1914)〜大正8年
木骨煉瓦造/平屋建
不詳/不詳
/03.10/トヨタグループ/展示施設(工場施設)
広大な工場建築の中に博物館をそのまますっぽりとはめ込んでしまった。この施設にはそんな極端なスケールの違いを感じました。中の展示手法も工場のそれをそのまま博物館にしたような感覚です。何が恐ろしいかというと、これが私企業の手による完全な文化事業であるということです。さすが利益1兆円企業だと感服する次第です。
紡績工場の特徴である塵突、各種動力施設、そしてノコギリ屋根など施設内には建築物として実に効率よく建物群が保存されています。機械好きならずとも、是非とも訪れるべき遺産です。(産業技術記念館パンフレット.)
産業技術記念館・トヨタグループ館(旧豊田紡織本社事務所)
名古屋市西区則武新町四丁目
大正14年(1925)
鉄筋コンクリート造/3階建
不詳/不詳
/03.10/トヨタグループ/展示施設(同左)
工場内にあった事務所建築を取り壊すことなく、企業史の展示室としています。工場施設とは意匠が異なるため、元々ここになかったかの如き、唐突な姿に見えます。ここは旧豊田商会事務所と実に対照的で、興味深いところです。
産業技術記念館はトヨタグループ13社によって1994年に作られました。その壮大な事業はまさに後世に語り継がれるべき、立派な社会貢献事業だと言えます。まさに名古屋の誇りです。(産業技術記念館パンフレット.)
ノリタケの森煙突モニュメント(同左)
名古屋市西区則武新町三丁目
昭和8年(1933)
鉄筋コンクリート造煙突
不詳/不詳
/03.10/ノリタケ/静態保存(煙突)
かつてノリタケが都市型工場として気勢を上げていた頃の遺跡。まさに遺跡という表現がふさわしく、周辺には工場の痕跡を示す基礎遺構がそのままの形で、または再利用という形で保存されています。6本の煙突は、もちろん実際に工場が稼働していた時の煙突で、その基礎部分約8mが象徴的存在として現在遺されています。
周囲にはビオトーブがあります。人工的自然といいますか、この工場跡にひとつの森を作り上げようという、実に痛快な計画がここでは実際に行われようとしています。(ノリタケの森サイト.)
ノリタケカンパニー本社(旧日本陶器事務館)
名古屋市西区則武新町三丁目
昭和12年(1937)
鉄筋コンクリート造/4階建
鈴木建築事務所/大倉土木
/03.10/ノリタケ/事務施設(同左)
角地にあり樹木が生い茂っているため、目立ちにくい状態となってはいますが、軒周りのデザインで全体をしっかと締めくくる、すがすがしいモダニズム建築のひとつであるといえます。
扁平に思えて、玄関部分はいろいろ示唆に富んだ変化を持たせており、ひとつひとつの手法はありきたりでありながら、総合すれば良い作品たり得るものとなっています。
隣接してノリタケの森という自然共生型テーマパークがあります。その試みは日本でも一番といえるおもしろさを持っており、一度訪れることをおすすめします。(0.46.)
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