近代化産業遺産 総合リスト


 
建物紹介例
<写真がここに入ります。(下は例)>えつ伝承碑 現在の建物名称(昔の建物名称)
住所(移設の場合、旧所在地) 建築年代
構造/階層 設計者/施工者
文化財指定・顕彰(ある場合)/撮影日/所有状況/
使用状況(建造当時の用途)
建物説明。(文末に参考文献ナンバー)

福岡県大川市編

大川市立清力美術館(旧清力酒造事務所)
大川市大字鐘ヶ江 明治41年(1908)
木造/2階建 筬島傳太郎(大工)
県指定有形文化財/05.8/大川市/余暇施設(事務施設)
 大川市を代表する下見板張りの洋館。大工の設計によるものながら、よく見られる「和」のスタイルを感じさせず、へんてこな意匠もなく、全体を丁寧に仕上げています。敢えてへんてこな点を挙げるとすれば、これが日本の粋である日本酒醸造会社の事務所であることではないでしょうか。
 向かい側には現在も醸造蔵があり、この建物だけが、別世界です。展示品は、かつては坂本繁二郎や青木繁を中心に展示されていたのですが、現在所蔵作品の殆どは石橋美術館に委託、建物が最大の展示品という状態となっています。(パンフレット.)

インテリアショップ ムブル・エ・カフェ(旧三潴銀行本店)
大川市向島 明治42年(1909)
煉瓦造/2階建 筬島傳太郎(大工)
市指定有形文化財/05.8/大川海運物産/商業施設(金融機関)
 街並みの中で重厚なたたずまいを見せる洋館。清力美術館と同じ作者による作品で、こちらは煉瓦で仕上げられています。外観だけを見れば正規の教育を受けた建築家による建物と考えても不思議ではない、高レベルな作品に仕上げられています。
 現在は家具製造販売業者がショールームとして使用しています。大川家具で全国的に有名なこの地域にふさわしい、そして訪れて見学のしやすい活用方法です。観光で訪れる皆様、昇開橋の帰りの際にはこちらもどうぞ。(4.) 

清力酒造醸造施設(同左)
大川市鐘ヶ江 明治末期
木造/2階建? 不詳/不詳
/05.8/清力酒造/醸造施設(同左)
 事務所建築の洋風意匠と比べるとどうしても違和感がありますが、そもそも日本酒醸造施設なのでこちらの方が本道と言えるでしょう。実際の醸造蔵は改装・改築されている場合が多い中で比較的古い形態を遺す、ノスタルジック溢れた建物とも言えます。
 美術館側からギャップを楽しむも良し、新しく造られた事務所にお酒を買いに行くも良し。酒蔵側から眺める筑後川は、実にゆったりと流れていき時間、時代さえも忘れさせそうです。

千草薬局(同左?)
大川市向島 昭和初期
木造/2階建 不詳/不詳
/05.8/民間/商業施設(同左)
 海運で栄えた大川市の隆盛を物語る施設のひとつ。角地にあって面取し、軒に若干の装飾を施す、あるいは窓に飾りを施す形態は現在の建物にはあまり見られず、こういったところにいわゆるレトロを感じる人は少なくないと思います。
 戦後60年が過ぎ、近代の香りを遺す建物も少なくなってきました。そんな中でいつまでも大切に扱われている建物を見るとどことなくほっと感じます。効率のみが追い求められる現代も少し、こういったところに目を向けて欲しいものです。

旧国鉄佐賀線筑後川昇開橋(同左)
大川市−佐賀県佐賀市諸富町 昭和10年(1935)
鋼製昇開式可動橋 坂本種芳/飛島組、横河橋梁他
国指定重要文化財/04.6/大川市・佐賀市/歩道橋(鉄道橋梁)
 かつては国鉄佐賀線の鉄道橋として造られた、まったくの実用目的の構造物ですが、廃線後は筑後川流域住民の心のよりどころとして保存活用されています。現在は観光目的で利用されており、これだけのためにここを訪れるひともいるみたいです。橋が上り下りする様は、ただ見るだけでもかなりの壮観です。
 国登録有形文化財とし福岡県の登録第一号になった記念的な文化財ですが、当然の流れと言うべきか、その後国指定の重要文化財となりました。日本の代表的な近代化遺産のひとつです。(4.建築マップHP.)


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