近代化産業遺産 総合リスト


 
建物紹介例
<写真がここに入ります。(下は例)>鳥取城 現在の建物名称(昔の建物名称)
住所(移設の場合、旧所在地) 建築年代
構造/階層 設計者/施工者
文化財指定・顕彰(ある場合)/撮影日/所有状況/
使用状況(建造当時の用途)
建物説明(文末に参考文献ナンバー)

鳥取県鳥取市編

仁風閣(同左)
鳥取市東町二丁目 明治40年(1907)
木造/2階建 片山東熊・橋本平蔵/浜田芳造
国指定重要文化財/09.3/鳥取市/静態保存(余暇施設)
 鳥取市が自信を持って他地域に自慢できる近代建築と言えば、まずこれが挙げられるでしょう。設計者は迎賓館の設計者であり宮廷建築で名高い片山東熊、池田家が別邸として企画しながらも、皇太子(のちの大正天皇)の来訪に合わせる形で御座所として造られた建物は、鳥取の迎賓館と称すべき、優美な造りとなっています。
 建物正面は櫛形ペディメントが目立つ比較的のっぺりとした造りですが、庭部分はガラスで囲われたバルコニーがモダンで印象的な、見る角度毎に表情の変わる、工夫の凝らした建物と言えるでしょう。(c.24.現地案内板.)

鳥取鉄道記念物公園ホーム(鳥取駅ホーム)
鳥取市扇町 明治40年(1907)頃
(昭和56年(1978)移設)
鉄骨造ホーム 不詳/不詳
/09.3/鳥取市/静態保存(交通施設)
 大振りのホームを移築復元した建物。ホームの基礎部も当時使用されていた構造のようで、ここまでわざわざ移築しておいて、車両を展示していない公園は、かえって珍しいと言えます。双頭レールで構成されているホーム上屋を保存する例はなかなか少なく、それだけでも基調なのですが、一般受けはしないのでは、と考えてしまいます。展示方法次第では、もっと人気のある場になるのではないでしょうか。このままでは、もったいない施設のひとつです。(鳥取市ウェブサイト.)

中川酒造(同左)
鳥取市立川二丁目 大正期
土蔵造/2階建 不詳/不詳
/09.3/中川酒造/醸造施設(同左)
 外観からは、事務所となっている主屋自体よりも酒蔵の方が目立つ造りとなっています。内装については、大きめの二階建酒蔵はキングポストトラスの洋小屋、平屋建ての蔵は和小屋で造られているという、和洋混淆の造りとなっています。大正期の醸造施設としては、それほど珍しくない造りのようで、外観の和風・洋風に関わることなく、どちらの小屋組も使用する例が確認できます。
 建物周辺は空襲の影響がなかったようで、古くからのまちなみが現在でも見ることが出来ます。お薦めの街並のひとつです。(71.)

鳥取高等農業学校本館(同左)
鳥取市南吉方三丁目 大正10年(1921)
木造/2階建 不詳/不詳
/09.3/三洋電機コンシューマエレクトロニクス/静態保存(教育施設)
 近代化遺産調査報告書掲載時点と比較すると、建物が若干切り取られ、色合いは復元したものの、かつて存在した他の校舎建築の大部分は取り壊されており、遺り方には違和感を覚えました。
 この建物を訪れた日は、やたら雨風が強く訪れるか否か考えたものです。また実際建物に着いたときも、玄関の真ん前に掃除用の軽トラックが停まり、無事移動していただくまで30分待ちぼうけでした。設計は辰野金吾との既述があります。しかしどう考えても、年代的に合わないと思うのですが、いかがでしょうか。(71.)

五臓圓ビル(同左)
鳥取市二階町二丁目 昭和6年(1931)
鉄筋コンクリート造/3階建 不詳/不詳
/09.3/民間/商業施設(同左)
 他のサイトで竣工当初の写真を拝見したところ、軒の部分に段差を付けかなり外壁を強調させた建物だったようです。軒部分が雨漏りの原因になることは間違いなく、そこをシンプルにするのは仕方ないかとは思うのですが、のっぺりとしすぎるのは、何か物足りなくも感じてしまいます。
 立地的にはまさに藩は街にふさわしく、階上が飲食店などに利用されていた往時はにぎわいの中心施設ではなかったかと思います。活用方法によっては、再び脚光を浴びることは間違いないのではないでしょうか。(71.)

鳥取商事(同左)
鳥取市吉方温泉一丁目 昭和後期(1970年代)
鉄筋コンクリート造/2階建 栄建築設計事務所/不詳
/09.3/鳥取商事/事務施設(同左)
 シンメトリーの外観と一階部分の壁を強調させる造りが実に不思議な感じを覚えますが、2階正面のある種古典な窓構成、また軒部分の仕上げが分離派調の雰囲気を見せていたので、あるいは戦後初期の建物かと思い掲載したのですが、投稿があり1970年代の建築だとのこと。半分びっくりしながらも、なるほどと感じ入る部分もあり、実に不思議な心持ちです。
 これからますます価値が高まる建物ではないかと推察いたします。無事登録文化財まで遺って欲しいという思いも込め、掲載年代からかなり外れるものの、続けて掲載致します。(投稿情報.)

わらべ館(鳥取県立図書館)
鳥取市西町 平成7年(1995)復元
(昭和6年(1931))
鉄筋コンクリート造/2階建 置塩章/新工務所(新定蔵)
/09.3/鳥取県/外観復元(文化施設)
 元々の図書館建築に敬意を表して外観はそのままに、若桜街道部分から奥に新しい建物を造り整備した施設。建物に関しては、、外観保存、あるいはワンスパン保存となるのでしょうか、完全に取り壊し同様のデザインを復元しているのであれば、それはそれでかなり貴重な事例と言えるのでしょう。
 必見の施設のひとつです。(現地案内板.)


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